
アクアリウムを始めるにあたり、最も重要なのは水槽。
そのサイズや材質など種類は様々ありますが、どのような目的で始めるのかをよく考えて水槽を選ぶことが大切です。
インテリアとして見せたい場合は、デザインにもこだわりたいところ。
サイズや材質だけでなく、形もスタンダードな長方形の物からオシャレな円柱形や多角形、オリジナルの形状のものまで様々あります。
特に初心者の方の場合は、デザインよりもサイズ、材質、そして価格が気になるところだと思います。
せっかく新たに始める趣味ですから、できるだけ失敗しないように、また自分が納得できるものを選びましょう。
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Contents
水槽の材質について
水槽の材質については大きく分けて二つあります。
ひとつは、スタンダードで最も多く使用されているのがガラス製。
もうひとつは、大型水槽や特殊な加工などを施すものに使用されるアクリル製。
それぞれに特徴があります。
ガラス製水槽
最も主流で誰もがイメージする水槽というものはガラス製です。
逆に「それ以外あるの?」というくらいだと思います。
ガラス製の水槽は傷が付きにくく、汚れなども拭き取ればすぐに綺麗になるのでメンテナンスがしやすく長期間に渡って透明度を維持して使用することができます。
デメリットとしては、そこそこの重量があることで、大型の水槽はかなりの重量になるため設置場所を考慮する必要があります。
90cm以上の水槽になると一人で移動するにはかなり困難な重量になり、動かせたとしても危険なので一度置くと移動できないものと考えておきましょう。
動きの激しい大型の魚が壁面に衝突してガラスにヒビが入ることもあるようです。
アクリル製
一般家庭ではあまり見かけるものではありませんが、大型水槽や特殊な水槽ではアクリル製ものが多くなります。
アクリル製の水槽はガラス製に比べると軽量で、割れにくいことから大型水槽を設置する場合はアクリル製が適しています。
デメリットは傷が付きやすく、表面が曇ったようになりやすいこと。
また、ガラス製よりもはるかに値段が高くなるので手が出しにくい水槽でもあります。
ただ、よく動き回る大型魚を大型水槽で飼育する場合はアクリル製の水槽を設置するのが基本とされています。
加工するのに適している材質のため、希望のサイズのものを作ったり、特殊な構造にしたりする場合にもアクリル製が向いています。
水槽サイズについて
水槽のサイズはかなりの種類があり、デスクのに設置できるほどの小さなものから、リビングの壁いっぱいになるほどの大型のものまであります。
水槽選びで最も重要なのはサイズで、飼育したい生体の種類や数、設置が可能な場所を考慮してから決定する必要があります。
小さいサイズから始めたい気持ちもわかりますが、その分、飼育できる生体や数には限りがありますし、メンテナンスも水槽サイズが小さいほど大変になります。
かと言って、大きすぎる水槽はメンテナンスがし易く生体を沢山導入できますが設置場所に困ります。
大型水槽は一度設置するとなかなか移動はできませんし、水槽だけでもかなりの重量なうえに、さらに飼育水の重量がかかってきますので、設置する場所の強度なども考慮する必要があります。
小型水槽(30cm未満)
ちょっとした空いているスペースやデスクの脇などにも置くことが可能で、気軽に楽しめるサイズが沢山あります。
こだわったデザインのものもあり、生活スペースの一部に設置することができますので、いつでも近くで気軽に観賞を楽しめます。
ただ、アクアリウムの基本として飼育水が少ないほどメンテナンスが大変で30cm以下の水槽では金魚なら1匹飼えるかどうか、小型の熱帯魚でも3匹くらいが限界ではないかと思います。
30cm水槽
夏になるとホームセンターなどで安価なセットが販売されるのがこのサイズ。
女性でも簡単に持ち運べるサイズと重量で、少し空いているスペースに設置できます。
金魚なら2匹、小型の熱帯魚なら5匹程度かなと思います。
飼育水はあまり多いほうではないのでそれなりの頻度でメンテナンスが必要になります。
45cm水槽
30cm水槽のワンサイズ上のサイズで、このサイズなら飼育水量も多めでメンテナンス面でも負担は軽くなります。
金魚なら2~3匹、小型の熱帯魚は5~10匹程度は飼育可能かと思います。
このサイズになると、空の状態でも少し重量がありますが、幅が持ちやすいサイズなので持ち運びはそこまで大変といったほどでもないと思います。
60cm水槽
アクアリウムで最も主流なサイズで、メンテナンスもし易い大きさです。
設置するろ過器の能力と水替えの頻度にもよりますが、金魚なら3~5匹、小型の熱帯魚なら10~20匹、中型魚で5匹程度は飼育可能だと思います。
60cm規格の設備も多数販売され、その分安価で売られているため、様々な選択肢が最も多くなるサイズ。
飼育水も十分にあり、手を入れてメンテナンスするのにもちょうどいいくらいの大きさ。
空の状態でそこまで重量があるわけではないですが、幅が大きいため持ちにくさから重量を感じます。
設置スペースと設置場所の強度も考慮する必要があるので、それなりにしっかりした場所か、専用の水槽台が必要になります。
90cm水槽
このサイズになると飼育できる生体の数や種類も増えてきます。
厳密な数まで断言はできませんが、金魚数匹、小型魚の群泳、中型魚の数匹飼育、大型魚の単体飼育も可能になってきます。
もちろん飼育水も多く幅が広いために上部からのメンテナンスもしやすいサイズです。
それなりの設置場所がないと無理なサイズで、空いている場所があれば設置できるわけではなく、専用水槽台に設置するほうが安全です。
120cm水槽
大体のことはなんでも可能になるサイズ。
金魚の複数飼育、小型魚の群泳、中型魚の複数飼育、大型魚の飼育まで過密にしすぎない限りは可能。
メンテナンスもしやすいと言えばしやすいですが、ここまでのサイズともなると本格的な設備になってくるので設備費用や保守・管理も必要になります。
また、設備の使用にかかる電気代などのランニングコストもそれなりにかかってきます。
設置場所は専用水槽台が必要ですが、飼育水を入れると相当な重量になるので木造住宅などでは床補強なども考慮する必要があります。
水槽デザインについて
水槽自体のデザインも色々なものが販売されています。
アクアリウムを部屋のインテリアの一部として置きたい方も多くいると思います。
サイズや材質で選ぶのもいいですが、より水槽をよりオシャレに演出したい場合はデザインで選ぶのもありだと思います。
空き瓶・ボトル
ガラス製などの空いた容器などを使って演出する「ボトルアクアリウム」というものが最近ちょっとしたブームになっています。
家にあるものや、百均などにあるもので手軽に準備できますし、設置場所にも困らず移動も簡単なことから、挑戦される方が増えてきているようです。
本格的な設備は設置できないため、水温は外気温によって左右され、水質の劣化は水替えのみでカバーすることになります。
生体を導入することは難しく、入れたとしてもアカヒレ一匹程度でしょう。
フレームレス水槽
近年、開発技術の向上で登場してきたのがフレームレス水槽。
通常の水槽はガラスとシリコンで組み合わせてあるため、角の部分が視界を遮るような構造になっていますが、シリコンの性能とガラスの加工技術が向上したことから、枠のない水槽が販売されるようになってきました。
実物を見たらよくわかりますが、角の部分はガラスが曲げられているため、水をそのまま切り取ったように見えます。
デザイン水槽
今までにはなかった発想で、色々なものがアクアリウムと融合して作られるようになりました。
完全にデザイン性が重視されて作られたものがほとんどで、飼育ベースで考えると多少メンテナンスに困りそうなものが多いですが、インテリアとしては圧倒的な存在感です。
ただ、この類の商品はフルオーダーが基本でその分かなりの価格になります。
その他
他にも、プラケースや発泡スチロール、ビオトーブや鉢など水が抜けない容器で飼育するといった方法もありますが、プラケースは安価ではありますが傷がつきやすく割れやすい、強度もあまりないため飼育水槽としては向いてはいません。
発泡スチロール箱や鉢なども、強度は十分にありますが上からしか鑑賞できないことや設備が設置できないことを考えると向いてはいません。
ビオトーブも基本的には上から鑑賞することを基本とされる金魚やメダカの飼育用のものなので、熱帯魚飼育として用いるものではありません。
いずれも、飼育自体は可能ですが観賞用の水槽というジャンルには含まれないので、一時的な予備タンクとして使える程度です。
初心者へのおすすめ水槽
これからアクアリウムを始めたいけれど沢山ある水槽の中でどれを選んだらいいのかわからないと悩んでいる方が多いと思います。
確かに最近では相当な種類の水槽が販売されているために悩むのもわかります。
しかし、中でもやはり主流となる規格の水槽は、それだけ沢山のユーザーに選ばれる理由があるわけです。
気軽に始めたいなら30cmキューブ!
設置スペースがあまり取れない。
置く場所の強度が心配。
ちょっとしたスペースでオシャレに楽しみたい。
そういった方には30cmキューブ水槽がオススメです。
30cm水槽くらいの幅なら設置がしやすく、移動もできます。
ただ、ホームセンターなどでセットで安価に売られている30cm水槽は、高さが低いために飼育水は少なくあまり沢山の魚たちを飼育できないですし、水質が悪化しやすく思っていたよりもうまくいかないと思います。
また、セットで売られるほとんどの商品はガラスの接合部に鑑賞の邪魔になる枠がありますので、あまりインテリアでオシャレに演出するには向いているデザインではありません。
ガラス面が元々小さい上に枠があるので、観賞用としては物足りなさを感じると思います。
一般的に30cmキューブと呼ばれる水槽は、ガラスの接合部のシリコンは綺麗に施工されていて、幅30cm、高さ30cm、奥行30cmの完全立方体で、飼育水もそれなりの量があるため、小型の魚なら数匹は楽に飼育できます。
また、デザイン製にも優れていてインテリアとしてもオシャレに演出できますし、鑑賞できる面も多いため同じ幅30cmを選ぶなら、キューブ水槽がオススメです。
価格も手に入れやすい設定で各メーカーから販売されているので、初心者でも抵抗なく導入できると思います。
60cmガラス水槽ならできることの幅が広がる!
アクアリウムで最も主流の規格で、ユーザーの多いサイズ。
飼育水も十分にあり、この規格の設備は非常に多くあるので、観賞魚飼育から水草水槽までアクアリウムとして幅がかなり広がります。
観賞魚の飼育でも導入できる魚の種類や数も選択肢が増えて、よりアクアリウムを楽しめるようになります。
幅は同じ60cmでも、高さ、奥行が違う商品が沢山ありますが、可能なら大きいに越したことはないので設置が可能なら大きめのサイズを選びましょう。
高さが低い商品がありますが、高さが低くなるととうしても鑑賞には圧迫感がありますし、水草水槽の場合でも水草が伸びるスペースがないため、あまり見栄えがしません。
奥行は長いほど飼育水量は多くなるメリットはありますが、やはり鑑賞として感じることは水槽の正面の面積がどれくらいあるかでかなり違ってきます。
せっかく60cm水槽を選ぶなら、中途半端に小さいものにせず、高さのあるものを選ぶことをオススメします。
デザインに関しては、シリコンの接合部が目立つ枠ありのものと、ガラスをつなぎ合わせただけの枠なし、ガラスを曲げての接合部を一部なくしてなめらかに仕上げたフレームレスのものがあります。
見た目がオシャレで観賞魚たちを綺麗に見せるには、フレームレス、枠なし、枠ありの順になりますがもちろん価格が高い順でもあるので自分がかけられる費用を考慮して選びましょう。
枠なしとフレームレスの違いがややこしいですが、ここではガラスをシリコンで接合しただけのものを枠なし、ガラスを曲げて接合部自体がないものをフレームレスとします。
費用をかけたくなければ激安セット商品がオススメ!
できるだけ安価で済ませたい場合は、セット商品が非常にオススメです。
水槽、ろ過器、ヒーターなどをそれぞれで購入するよりは断然安いですし、ネットショップなどでは非常に安価な設定がされているのでオススメです。
ネットショップの値段と近くのホームセンターなどの値段を見比べてもらえるとわかると思いますが、ネットショップのほうが非常に安く手に入ります。
また、宅配で自宅まで届けてくれるので持ち帰る手間も省け、最近ではかなり迅速に対応してくれるので、買うならネットショップのセット商品がオススメ。
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オシャレに演出したいなら枠なし水槽!
ガラスを綺麗につなぎ合わせてあるので接合部がほとんど目立たず、デザイン性に優れています。
また、価格もそれほど高いものでもなく安価で販売されているので初心者でも気軽に導入できます。
観賞魚飼育でも水草水槽でもかなり綺麗に見えるのでオススメ!
デザイン重視ならフレームレス水槽!
これは見た目ではかなりかっこよく演出できます。
つなぎ目がなく鑑賞する側からはどの角度から見ても邪魔をするものがないので、水の中の世界をそのまま切り取ったように見えます。
ただ、他のタイプのものよりは価格は高くなります。
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まとめ
結局どれがオススメなの?って話なのですが、こればかりは飼育者が納得できるものならばなんでもいいというのが答えになります。
ただ、それでは何のアドバイスにもならないですよね。
アクアリウムを始めるにあたって、水槽選びがまず最初にやるべきことで最も重要なことですので時間をかけてじっくり考えてから決めるべきだと思います。
どこに置きたいのか?そこにはどこまでのサイズなら置けるのか?
水槽を設置して何を飼育、育成したいのか?
自分がどこまで管理に手間をかけられるのか?
設備に投資できる費用はどれくらいなのか?
考えることは沢山あります。
また、アクアリウムという趣味は鑑賞する楽しみがある反面、それなりの費用と時間と人間の手間をかけなければ維持できません。
特に日々のメンテナンスはそれなりの時間も割かなければいけませんし、水をこぼしたり、周囲が汚れたりということもあるため、家族ともしっかり話し合って理解してもらうことも大切です。
私個人は枠なし60cmガラス水槽か30cmキューブ水槽が断然オススメ。
どちらもインテリアとしても映えますし、小さすぎるわけではないので十分使えます。
30cmキューブ水槽を複数並べてみるのもまたオシャレに見えたりもするので、どのような水槽を維持してどう演出していきたいのかを考えて決定、購入しましょう。
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