秋冬に多くなる金魚や熱帯魚の転覆病はうつるのか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

リュウキンや体の丸い熱帯魚などに多くみられる転覆病。
初めて目の当たりにした方はどうしていいかわからないもの。

他の魚にもうつるのかどうかについて考えてみましょう。


スポンサーリンク

Contents

転覆病とは?

特にリュウキンやオランダ獅子頭などの体の丸い金魚に多くみられる病気で、お腹を上にして逆さまになった状態で水面に浮かんでいる状態になったり、真横に向いたままだったり、中には底に沈んだままだったりする症状が見られます。

特に多いのがお腹を水面から出して浮かんでしまう症状で、その姿から「転覆病」と呼ばれています。

逆さまになってしまう症状だけでなく、真横になったり沈んだままになったりする症状も、全てお腹のガスをためる袋の異常と思われることから、それらを総称して「転覆病」と表現されることもあります。

秋冬に起こりやすいのが特徴で、金魚だけでなく体の丸い熱帯魚にも同様の症状があらわれることもある。

転覆病の原因

発症する原因として多くあげられるのは消化不良、水温変化、水質悪化などがありますが、決定的な原因を断定することは難しいとされています。

しかし、発症する前後には必ず何かの変化がある場合が多く、秋から冬にかけての発症例が多いことから水温の低下が引き金になることは可能性として高いとされています。

また、餌を与えた直後に発症することが多いことから、原因のほとんどは消化不良であるとされています。

この場合、水温低下によって消化器系が弱っているところへ動物性たんぱく質を多く含んだ(消化しにくい)餌を過剰に与えてしまったことが原因とされます。

他にも水質の悪化なども疑われますが、発症前と後で何か変化があったかどうかが原因を探るヒントとなります。

転覆病で魚は死ぬの?

転覆病は一般的には消化器系の異常とされ、その症状自体が死因となって死ぬことはありません。

ですが、逆さまになってひっくり返ってしまった場合、お腹が水面から出て常に空気に触れている状態になるためその部分が炎症を起こしてしまいます。

炎症を起こした部分から他の感染症にかかってしまうことがあり、転覆病になってしまった個体は免疫力も低下しているために病気が悪化して死んでしまうことがあります。

つまり、転覆病自体では死ななくてもその状態で放置していることが非常に危険な状態なので、転覆病になってしまったら病気のリスクは高まり、死んでしまう可能性は高くなることになります。

転覆病は他の魚にうつるのか?

これまで簡単に「転覆病」について書きましたが、病気と言っても感染症や寄生虫が原因ではないため、同じ飼育水で飼育していてもうつることはまずないと思われます。

もし、同じ水槽で飼っている魚の中で複数の個体に転覆病が見られた場合、病気が感染したわかではありません。

原因はその水槽の飼育環境にあるため、当然同じ水槽の中にいる魚たちには同様の症状が現れる個体が数匹いたとしても不思議はありません。

転覆病は元々エラがあまり強くない個体がなりやすいとも言われているため、複数の魚が同時に発症するケースは稀だと思いますが、それなりの飼育数がいた場合はその中の数匹が発症するケースもありえなくはないと思われます。

いずれにせよ、症状はその飼育環境によって引き起こされるものなので、転覆病がうつるというわけではありません。

転覆病になってしまったら?

もしも飼っている魚が転覆病を発症してしまっ場合、まず最初にやるべきことは何なのか?

とにかく発見した時点で隔離です。

「うつらないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、転覆病の個体を隔離することはうつるからではありません。

転覆病を発症してしまった個体のほとんどは、そのままにしておいても元に戻ることはなく弱っていきます。

また、ひっくり返ってしまった個体を他の魚がつついたりするのでさらに弱っていきます。

いずれにせよ、治療するなら症状を発症してしまった原因があるとされる環境から隔離してあげることが大前提で、できるだけ病気のリスクやストレスの少ない環境に移してあげましょう。

消化不良が原因となっている場合が多いため、隔離後は絶食が基本とされます。

治療法の代表例は0.5%濃度の塩浴で、浸透圧を調節することによって改善されることがあるようです。

この塩浴法で使用するのは食塩ではなく塩なので注意しましょう。

他にもココア浴で改善されたという例もいくつかあるようですが、これには賛否両論ありリスクも伴う方法なのでそれなりの覚悟が必要です。

治療ではなく、コルクを使った応急処置もあるようなのでとりあえずまともに泳げるようにしてあげるには画期的なので実践してみて下さい。

転覆病の金魚を救う「金魚車いす」がすごい!飼育者の愛情が形になった!

スポンサーリンク

病気は予防が大切!

今回は転覆病についてまとめてみましたが、その症状自体が死因になることはなくても、他の病気にかかってしまい死んでしまうことがあります。

他の病気でも同じことが言えますが、病気は早期発見、早期治療が大切。

人間でも魚でも同じですね。

特にこの転覆病は発症しやすい時期と環境がある程度まではわかってきているので、飼育者が気をつけていれば防げます。

また、泳ぎ方がおかしかったりいつもよりもじっとしていたりといった初期症状も見られることがあるようなので、わりと早期に発見できることもあるようです。

水温の低下する時期に多いために、金魚飼育でもヒーターを使用したり、過剰に餌を与えず消化のいいものを与えるなどで予防しましょう。

飼育している生体が病気になるかならないかは飼育者次第というわけですね。

スポンサーリンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。