初心者でも簡単!グッピーの飼育・繁殖方法と必要な設備!

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初心者からベテランブリーダーまで非常に飼育者の多い熱帯魚・グッピー。

熱帯魚の中でも人気が高く、種類も豊富でコレクション性も高く、見た目の派手さでも沢山の人を魅了し続けています。

そして根強い人気を後押ししているのはやはり飼育から繁殖までが容易に可能なこと。

慣れてくれば自分だけのオリジナルの品種を作出できる可能性も秘めているため、楽しみは無限大です。

熱帯魚の人気者・グッピーの飼育で失敗しないために、またより一層楽しむために、飼育に必要な知識と注意点についてしっかりとポイントを押さえておきましょう。

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Contents

グッピーとは?

グッピーは南米に生息するPoeciliareticulateという魚の改良品種だと言われ、現在一般的に飼育されているグッピーは主に東南アジアで養殖され輸入されるいわゆる外国産のグッピーと、日本国内でブリードされ繁殖・作出された個体の国産グッピーの二つに大別されています。

外国産・国産との違いは、その出生地のみで判別され、外国で養殖されてから日本国内へと輸入される個体群を外国産とし、日本のブリーダーたちなどが繁殖させて生み出された個体群を国産と呼ぶ程度のもので、どちらも同じグッピーです。

例えば、輸入した個体群から数匹をあなたが購入し、繁殖に成功してから生まれた稚魚たちは国産ということになります。

グッピーはメダカの仲間ですが、メダカとの違いはグッピーは「卵胎生」の魚であること。

メダカなどの「卵生」の魚は卵を産んでから稚魚へと孵化するのですが、「卵胎生」の魚はお腹の中で卵を孵化させてから稚魚を産むという特徴を持っています。

その分、他の「卵生」の熱帯魚に比べて繁殖が容易であることが人気の理由のひとつにもなっています。

グッピーの稚魚は生まれてきた時の大きさが他の熱帯魚よりも比較的大き目にまで育っているので、稚魚の生存率も高く、成魚までの飼育も容易です。

ソードテール、プラティ、モーリーなども「卵胎生」の魚で、グッピーと同じように、初心者でも飼育・繁殖が比較的簡単に楽しめる熱帯魚です。

魅力的な尾ヒレの種類

グッピーの魅力はなんといっても大きくて派手な尾ヒレ。

その形は代表的なものが分類され、それぞれ名前がつけられています。

デルタテール

一般的に最も多く見かけるタイプであり、大きく開いた時にその名の通り三角形の形をしています。

ファンテール

デルタテールとよく似ていて見分けにくいですが、尾ヒレの先が少し丸く膨らんだような形になっています。

リボン

腹、尻のヒレが長く伸びているのが特徴で、繁殖はこの特徴を持っているメスから受け継がれます。

尻ヒレは生殖器になっていて「ゴノポジウム」と呼ばれ、このヒレが伸びているため生殖能力が弱い。

スワロー

リボンの特徴に加えて他のヒレも長く伸びるのが特徴。

リボンと同様に尻ヒレが伸びているため生殖能力が殆ど無く、この系統を維持することは非常に困難とされている。

トップテール

尾ヒレの上の方のみがが長く伸び、泳ぎが得意なのも特徴のひとつ。

ボトムテール

トップテールとは反対に尾ヒレの下の方が長く伸びるタイプ。

ダブルソード

尾ヒレの上と下が長く伸びてボトムテール、トップテールの両方の特徴を併せ持っている。

ピンテール

尾ヒレの後の中心の部分が長く伸び、デルタテールやファンテールなどに比べて小柄なために泳ぎも速い。

バリエーション豊かな体色の種類

体色は様々な種類があり、自分好みのものを見つけたり、変わった体色の個体を見つけたりすることで、初心者の方でも飼育の楽しみが広がります。

これまでに作出されてきた体色のものは、尾ヒレの形状と同様に代表的なものは分類され、それぞれに名前がつけられています。

目の色も基本的には黒色ですが、中には薄赤い色をしているアルビノ種や完全に真っ赤な色をしたリアルレッドアイ・アルビノ種などもいます。

グレー

最も原種に近い色とされ、色としては「灰色」。

「普通種」「ノーマル」などと呼ばれることもある。

ゴールデン

メラニン色素が抜けていて黄色に近い色をしているが、目だけは「普通種」と同じ黒色。

タイガー

グレーとゴールデンの中間的な色で、わりと黄色に近い色をしていますが、鱗に黒い縁取りのようなラインがあるのが特徴。

アルビノ

目が赤く黄色がかっているが、メラニン色素が少ないために透明感がある。

リアルレッドアイ・アルビノ

透明度が高い黄色の体色に、真っ赤な目をしている。

 

 

ブラオ

メラニン色素が多いため全体的にグレーのようにも見えるが青みがかったブラック。

雌雄判別と特徴

グッピーの雌雄判別は見た目が全く違うため簡単です。

オスは体が細身でヒレが大きく派手。

メスはヒレが小さめで体がオスよりも大きく丸みを帯びています。

繁殖させたい場合や増殖を制限する場合には雌雄の判別が必要になりますので覚えておきましょう。

見た目の違いは誰でもわかるほど違っているので、初めて飼育した方でも一目見てわかると思います。

オスの特徴

体が細身でヒレが大きく派手なのがオス。

ヒレの形状や模様、体の色などにより様々な種類に分類されています。

目の色も基本的にはほとんどの種類が黒色をしていますが、中には赤みがかった種類もいます。

尻ヒレは「ゴノポジウム」と呼ばれる生殖器で、このヒレが長く伸びているリボン、スワローなどの種類は生殖能力がほとんどないため、系統の維持が難しいと言われています。

この「ゴノポジウム」は生後三週間程度で発達してきて尖ってくるのがわかります。

メスの特徴

メスはオスと比べて派手さはなく地味な容姿ですが、体が少し大き目で丸みを帯びています。

抱卵しているメスは、腹部が膨らみうっすらと卵が透けて見えるので、しっかりと観察していれば産卵が近づいている個体はすぐにわかります。

生後三週間程度で繁殖の時期を迎え、肛門付近が黒ずんできます。

出産のサイクルは約30日くらいで、一度に数十匹~百匹近い数の稚魚を産みます。

模様の代表的な種類

グッピーの模様にはある程度のパターンがあり、その代表的なものには名前がつけられ分類されています。

モザイク

尾ヒレがモザイクのような模様で最もポピュラーでよく見かける種類。

グラス

尾ヒレがモザイクとよく似ていますが、モザイクよりもさらに更に細かい模様をしている。

タキシード

体の半分から後側が黒っぽい色をしていて、タキーシードを着ているように見えるためにそう呼ばれる。

コブラ

キングコブラの模様に似ている事からついた名前で、比較的よく見かけるポピュラーな種類。

メタル

体の前側が金属のような光沢がある。

プラチナ

体の前側がプラチナのように輝いて見える。

ソリッド

全体がほとんど単色の種類。

オールドファッション

少し光沢がありモザイク模様が尾ヒレから体まである。

 

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必要な飼育用品

グッピーは熱帯魚の中でもかなり飼育が容易な魚で、他の種類と同じような設備で特に問題なく管理できます。

水槽

どの熱帯魚を飼育するにしても、水槽が大きいに越したことはありませんが、グッピーの特徴は繁殖が簡単にできること。

そこで、注意しなければならないのは飼育数と水槽サイズです。

はじめから水槽サイズに対して過密になるような飼育は言うまでもありませんが、後から飼育数が増えていくことも考慮して、飼育数と水槽サイズを決定しましょう。

1ペアでは30cm程度でも十分ですが、そこから繁殖してしまった場合のことを考慮すると、やはり60cm水槽がベストだと思います。

60cm水槽は部屋に設置する分にも最適なサイズです。

飼育にもほどよい大きさで何より販売されている器具が多く、その分それらの設備も非常に安価で売られています。

すぐに飼育がはじめられるセット商品などもかなり安く手に入るのでオススメです。

飼育水量もそれなりの生体数が飼育可能なので、色々なことを考慮したうえでもやはり60cm水槽がおすすめとなります。

卵胎生で生まれたグッピーの稚魚は、生存率も高く比較的短期間で沢山の産まれるため、放っておいてもどんどん増えてしまうという事態に陥りやすいのもグッピーの特徴です。

一度の産卵で数十匹以上の稚魚を産み、それが30日サイクルで発生するとすれば、どのような状況になるかは容易に想像できると思います。

しかもそれはメス一匹に対しての話で、はじめから数組のペアができるような飼育数では、あっという間に大変なことになります。

自分がどのような飼育がしたいのかを考え、水槽サイズはワンサイズ、いやツーサイズ上を選ぶか、グッピー専用水槽を複数設置するなども考慮して決定しましょう。

増えすぎ防止や、きちんとした管理のもとで繁殖を楽しみたい場合は、多少コストはかかりますが、水槽を複数設置して雄雌、品種などで分けて飼育すれば無意味に増えすぎて処分に困るといったことは防げます。

フィルター・ろ過器・エアレーション

これも水槽と同様で、飼育数に対して大きめのろ過器を設置するに越したことはありません。

もちろん、どのような濾過器を設置しても水替えは必ず必要にはなりますが、少しでもメンテナンスの手間を減らすため、またグッピーたちが元気に育っていくためにも、十分な容量のものを選びましょう。

繁殖などを目的とする場合は、稚魚たちがろ過器に吸い込まれないような工夫や、強すぎる水流を弱める工夫なども必要になります。

エアレーションは特にあってもなくても飼育は可能ですが、溶存酸素濃度の一定化や夏場の水温上昇を軽減させる効果があります。

その効果はわずかなものではありますが、可能ならば設置してあげましょう。

個人的な見解ですが、熱帯魚たちは気泡や水流があったほうがなんとなく楽しそうに泳いでいるよいうにも見えます。

エアレーションの気泡はレイアウトとしても水槽内の世界の動きを演出できるアイテムでもあるので、ないよりはあったほうがいいですね。

ヒーター・サーモスタット・水温計

グッピーの好む水温は25℃前後とされていますが、一年を通して水温が20~30℃の間を季節によって上下する程度にしておけば特に問題はないと思います。

ただ、グッピーに限らず熱帯魚は水温が下がるほど抵抗力も弱くなり、飼育水中の病原体や寄生虫などが優勢となるため、病気のリスクを少しでも軽減したければ、外気温の下がる冬場にはヒーターで温度を一定に保ってあげたほうが安心です。

ヒーターにはコンセントを挿して水槽に放り込んでおけば温度を一定に保ってくれる「オートヒーター」と、水温を連続で測定して検出し、任意に設定した水温に近づけるためにヒーターをオンオフさせる「サーモスタット」とうものがあります。

サーモスタットを使えば病気の予防なのどのために意図的に水温を上げることもできますが、設備が少しごちゃごちゃしてしまうことと、価格もあまり高いものではありませんが、ヒーター本体とは別の設備となるので費用はかかります。

放り込んでおくだけで水温を一定に保ってくれる「オートヒーター」は簡単に設置できますし、見た目もすっきりしていて何より非常に安価で売られていますのでおススメです。

ただ、どちらの場合も突然壊れて動かなくなってしまい、気が付いたら水温が低下していたなんてこともあるので、設置しておくだけで終わらず、日々のチェックは必ずおこないましょう。

飼育水がの温度がどれくらいなのかを知ることは、とても大切なことです。

水温は魚たちの健康を守るために最低限必要な情報ですので、水温計は必ず各水槽に設置しましょう。

水温計は他の設備に比べるとかなり安価です。

壊れて使えなくなったり、水槽を新たに増やす場合などのことも考え、ショップや通販で何かを購入するついでにでもまとめて購入しておいてもいいと思います。

照明

どの熱帯魚を飼育する上でも、照明はないよりはあったほうが断然綺麗に見えます。

せっかくの綺麗なグッピーたちの姿を楽しむため、また、メンテナンスの時にも役立ちますので照明は設置することをおすすめします。

照明にも蛍光灯とLEDとがあり、それぞれに特徴があります。

蛍光灯照明は比較的安価ですが、それなりの光量を期待する場合は価格もそれなりに高くなり、サイズも大きくなります。

蛍光灯の光は拡散して高速点滅させることで周囲をぼんやりとやわらかめの光で照らします。

蛍光管の種類も様々あり、好みの色で演出を楽しむこともできます。

ただ、蛍光管は球切れするまでの寿命が短いため、電気代以外のランニングコストが少しだけかかります。

LED照明は近年で急速に普及しはじめ、水槽用の照明でもどんどん開発・販売されていますがまだまだ価格は高めの設定となっています。

光は直線的にしか照射されないため、照明の向いている部分だけが明るくなるイメージですが、照らされる範囲へ当たる光は強め。

一台当たりの本体価格が高い割には、照らすことのできる範囲が狭いため、蛍光灯と同じように水槽全体を明るく照らしたい場合は、複数台設置する必要があるため水槽一台あたりではかなり高額な設備になります。

ただ、蛍光管のような球切れの心配がほぼないことと、光が直線的に照らされるために水面の揺れや魚、水草の影などができて独特の雰囲気を演出することができます。

蛍光灯照明は、昼間のように水槽全体を照らすというイメージで、LED照明は湖面の上から夜の月明かりが水中に差し込んでいるようなイメージになるため、好みで独自の世界を演出するために選ぶのもいいでしょう。

ガラス蓋

熱帯魚は種類によっては飛び出して死んでしまうような種類もいるため、そのような場合はガラス蓋が必須になりますが、グッピーは特にその心配はないと思います。

ガラス蓋をするメリットとしては他にも、飛散防止、蒸発防止、保温、照明器具の保護など様々な役割があります。

特に強いエアレーションなどを行う場合は、水面で気泡がはじけることによって飼育水が周囲に飛散して汚れてしまいますし、蒸発も促してしまいますが、ガラス蓋をすることでそれらを軽減することができます。

保温はほんのわずかな効果しか期待はできませんが、冬場の冷たい外気が直接水面と接触するよりはマシな程度。

照明器具のほとんどは、水槽の縁に乗せるタイプになっていますが、万が一器具が脱落してしまい水没なんて事故もまったくないとは言い切れませんので、予備的な水没防止策としてガラス蓋があると安心です。

レイアウト・底床・水草

熱帯魚飼育と同時にレイアウトにもこだわって、水槽内にひとつの世界を演出することもアクアリウムの楽しみのひとつです。

はじめにどのようなレイアウトにしたいか構図を考え、底床・水草や流木・岩などのアイテムの配置や大きさを決定しましょう。

レイアウトによっては、隠れ家などができ稚魚の生存率にも関わってくるため、どのような飼育をしていきたいかも考慮しながら、配置するものやその数を考えていきましょう。

稚魚の隠れ家に最適な水草として、ウォータースプライトやウォーターウィステリアなどがあります。

完全に初心者で初めて熱帯魚を飼育する方は、水槽内にはレイアウトアイテムを何も入れずにベアタンクで飼育することをおススメします。

始めたばかりのころは金魚の飼育などをイメージして近くのホームセンターなどであれこれ購入して設置してしまいがちですが、あまり余計なことをしすぎて失敗してしまうケースもあります。

何も入れないベアタンクのほうが管理は圧倒的にしやすいですし、グッピーの様子や水槽内の環境を観察することに集中できますので、まだ経験の浅い方は「水槽の世界を作る」というステップはまだ先にとっておいて、まずは「グッピーの飼育」に集中しましょう。

それに慣れてきてから、少しずつレイアウトアイテムを増やしていくといいと思います。

 

 

グッピーは口に入る観賞魚用の餌なら大体なんでも食べてくれます。

餌にはいくつかの種類がありますが、それぞれに特徴があり、中にはグッピー専用のものもあります。

どの餌をあげてもきちんとした与え方さえ守れば問題なく育てることはできますが、体色を綺麗に発色させる色揚げ効果のあるものや、栄養バランスを考えたものまであり、どれを与えるかは飼育者次第です。

 

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グッピーを飼育しよう

飼育に必要な設備が整ったら飼育に挑戦してみましょう。

比較的簡単と言われるグッピーの飼育は、きちんとポイントさえ押さえておけば初心者でも失敗せずに始められます。

必要な情報をしっかりと頭に入れて、綺麗な観賞魚を自分の手で健康に育てていき、熱帯魚ライフを楽しみましょう。

水質・水温

水温は22~27℃程度。

ただ、特に細かくこの範囲にこだわらなくて20~30℃の間で維持できていれば問題はないと思います。

水質は一般的には中性~弱酸性とされていますが、これは一概に全てのグッピーがそうであるととは言えず、国産や輸入によっても違います。

厳密には、国産か外国産かで違うというよりは、購入前までどのような水質で飼育管理されていたかということが重要になってきます。

主に東南アジアなどで繁殖されて輸入されてくる個体群は弱アルカリ性で育てられている個体が多いとされ、日本国内
でブリードされたいわゆる国産と呼ばれる個体群は中性~弱酸性で管理されていることがほとんどです。

全てのグッピーが弱酸性を好むと信じ込んで水質調整した飼育水へ輸入個体のグッピーを導入した場合には、うまく飼育することができずに全滅してしまうという例もあるそうです。

比較的水質や水温には順応しやすいとされているグッピーでも、違いすぎる水質では失敗してしまいますので、購入した個体がどこで育てられたものなのか?どのような水質で管理されていたか?という情報はきちんと把握しておく必要があります。

水質を中性付近に保っておけば国産、外国産ともに順応して飼育が可能とも言われているので、特に弱酸性にしておく必要はなく、中性付近を意識して調整しておけば、失敗は少なくなると思います。

飼育水をきれいにを保つために

グッピーに限らず、熱帯魚飼育は飼育水が全てです。

そしてその飼育水を熱帯魚たちの生きる環境として最適な状態を保つ役割として最も重要なのはもちろんフィルター・ろ過器です。

ろ過器は物理ろ過と生物ろ過と役割が大きく分けて二つありますが、長い間良好な環境を守るために最も重要なのは生物ろ過です。

この生物ろ過は、ろ過器を購入・設置してからすぐに効果を発揮することはできず、その状態で生体を導入すればすぐに飼育水
は汚れて腐敗していき、そのうち魚たちは生きていけなくなって死滅してしまいます。

この生物ろ過が成立して効果を発揮するまでには、水を張った水槽にろ過器を設置し、連続運転した状態を続けて最低でも一ヶ月程度はかかると言われています。

もちろんこの間は定期的な水替えが必要にはなりますが、生物ろ過を行うバクテリアは塩素によって死滅してしまうため、水道水を直接入れたり、水道水で洗い流したりすると全てがリセットされてしまうため、新たに入れる水は必ずカルキ(塩素)抜きを行って下さい。

ろ過器をずっと回していれば、見た目で汚れているようにも見えたり、ヌルヌルが気になったりして綺麗に洗い流したくなる気持ちもわかりますが、手を出さずに辛抱強く一か月はそのままにしておきましょう。

その間は間違っても生体を入れないようにして下さい。

人間にとって、ヌルヌルしたものが付着していれば「汚れている」と思いがちですが、そもそも熱帯魚にとってのきれいな水と人間にとってのきれいな水の定義が違います。

ろ過器内部や水槽の側面などに現れるヌルヌルは「バイオフィルム」と呼ばれ、それこそが生物ろ過を担ってくれるバクテリアの集合体です。

このヌルヌルがろ過器の中のろ材に付着しはじめ、しっかりと活発に活動しはじめると、水槽内で発生する魚にとって有害な物質を分解し、ほぼ無害に近い物質にしてくれます。

これが生物ろ過と呼ばれるもので、本来のろ過器の大きな役割であり、飼育環境を良好に保ち観賞魚たちを健康に育てていくために必要なものとなります。

生体に有害な物質は、主に水槽内の有機物などから発生し、その有機物の元は人間が与えた餌の食べ残しや、魚たちの糞尿がメイン。

生物ろ過が成立していない状態で生体を放り込むことは非常に危険で、有害な物質は飼育水内に蓄積されていく一方なので、そのうち死滅してしまうというわけです。

もちろんこの生物ろ過を成立させるまでの期間に生体を導入して毎日の水替えでカバーすることも可能ですが、飼育者の負担も大きいですし、いくら飼育水が綺麗になると言っても水替えというのは観賞魚にとっては様々なストレスを与え、それなりのリスクも伴うため、水替えは頻繁に行えばいいというわけでもありません。

さらに、これらのしくみを理解できれば、小さい水槽に沢山の生体を詰めこんだり、能力の低いろ過器を設置して放置しておくことがどういうことなのかがよくわかると思います。

飼育のポイントは

・水槽は大きめ
・ろ過器は大きめ
・生体は少なめ

が鉄則であり、生物ろ過を成立させてから生体を導入するということ。

これを守るだけでも、かなり失敗はは少なくなると思います。

特に過密飼育になりがちなグッピーの飼育では、水槽やろ過器の選定、飼育数には気を付ける必要があるので初期投資はケチらずに十分なものを用意してあげましょう。

 

 

混泳

グッピーは温和な性格で、特に他の魚とのトラブルは少ないため、同じ大きさ程度なら混泳は可能です。

ただ、同じグッピー同士でも国産や外国産で違う水質で管理されている場合があるので注意が必要です。

繁殖することも考慮するならば、オトシンクルスやヤマトヌマエビなどが特に邪魔にならないためにおすすめ。

小型のカラシン系などとの混泳も可能ではありますが、グッピーのヒレはつつかれやすいので、混泳させる魚の性質には注意しましょう。

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繁殖のしすぎに注意

グッピーの飼育で最も注意すべきことは繁殖させすぎることです。

飼育から繁殖までが容易に可能で、卵胎生で稚魚が比較的育って生まれるために生存率が高いためどんどん増やすことができます。

それがグッピーの魅力でもあるのですが裏を返せばグッピーの飼育で最も悩まされる部分でもあります。

始めはかわいい稚魚たちの姿に感動し、隠れ家を作ってあげたり隔離したりしてしまいがちですが、後からどのような状況になるかもきちんと考えて飼育・繁殖することが大切です。

グッピーのお産は寿命である1~2年の間に2~3回ほど行われ、一度に産む稚魚の数は数十匹~百匹近くにもなります。

さらにこの数字はメス一匹に対してだということを忘れてはいけません。

「グッピーの繁殖だあ!」と安易に考えていると、一年以後にはとんでもないことになることは小学校の算数ができれば容易に想像できます。

グッピーは生まれた稚魚を食べたりすることがあるので隠れ家をなくしたりすることで増えすぎを防ぐことはできますが、それでもどうしても数は増えてしまいます。

ある一定の数まで到達すれば、それからはバランスをとってそれ以上は増えなくなるという話もありますが、飼育者が繁殖
を促して稚魚の生存率を高めるような手助けをしていれば、数か月でとんでもない数になります。

増えすぎを防ぐ方法で最も確実な方法は、水槽を複数準備してオスとメスを別々に飼育し、繁殖したい場合のみ混泳させるといった方法。

この方法なら、飼育者が任意で生体数を管理することができます。

万が一、増えすぎてしまい引き取り手があるのなら問題はありませんがそう簡単に何十匹も引き取ってくれる人などそういるはずもありません。

仮にそうなってしまった場合、最後は自分の手で処分するしかありません。

かわいそうですし、せっかく生まれた命とも思いますが、面白がって増やしてしまったのは飼育者であり、その責任は飼育者自身がきっちりととらなければなりません。

それができないのならば、何の目的もなくむやみやたらに増やしすぎないことです。

逆に、どうしても繁殖して増やしたいのならばそれなりの覚悟を持って行いましょう。

但し、間違っても近くの川や池には放流しないようにしましょう。

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