
見た目が優雅でとても飼育しやすいエンゼルフィッシュ。
種類も豊富で人気の魚種です。
ただ、混泳には少し注意が必要になります。
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水槽の中を優雅に泳ぐ姿が魅力的なエンゼルフィッシュ。
種類も豊富で飼育しやすく、人にもなつきやすいところが人気の魚種。
ですが、エンゼルフィッシュは他の魚種との混泳に気を遣わなければいけないところがあります。
Contents
気性は荒い?おとなしい?
ネットなどの情報では、気性が荒いと書く人もいれば温和だと書く人もいます。
これは、一概には言えないことで、飼育してみなければわかりません。
個体差というものもありますし、エンゼルの中でも種類によって微妙な性格の違いがあります。
経験上では、ゴールデンは若い時にはかなり狂暴で、マーブルはいつもとなしくいじめられっ子なイメージがあります。
何度か飼育してみましたが、この構図に変わりはなかったように感じました。
ゴールデンエンゼルフィッシュは、同種間でもケンカは耐えませんし、気弱な個体がいるとかなり強気で責め立てます。
マーブルエンゼルフィッシュは、おとなしい個体が多く、争いを好まない感じです。
エンゼルフィッシュ同士でも、他種の混泳はあまり向かないかもしれません。
ゴールデンならゴールデン同士、マーブルならマーブル同士が無難な組み合わせです。
ゴールデンはどれも気が強いですので、覚悟が必要になります。
相性が悪く混泳できない魚は?
エンゼルは、基本はおとなしいとされているのですが、それは中型の熱帯魚の中ではおとなしいという意味。
若い時は活発に動きますし、ケンカもします。
また、逆に陰湿ないじめをされてしまう相手もいます。
エンゼルフィッシュと相性が悪いとされる代表的な魚種を紹介します。
エンゼルフィッシュに危害を加える熱帯魚
スマトラ
スマトラは、エンゼルフィッシュの混泳としては向かない代表的な熱帯魚。
長くて動くものをつつく癖があるため、エンゼルはそのいたずらの恰好の餌食になります。
泳いで逃げるのが苦手なエンゼルに対し、スマトラが複数泳いでいたりすればすぐにボロボロにされます。
致命傷は負わないにしても、かなりのストレスを感じてしまいます。
スマトラの改良品種でも同じなので、エンゼルのためにも混泳は避けましょう。
小さくて、すばしっこく、ヒレをつつくような魚種は当然のように嫌がります。
プレコ
セルフィンプレコ、サッカープレコなどのプレコの仲間は、コケ取りようなどで導入されることがあります。
ですが、成長すれば50センチを超えるほどの大型魚になり、とてもじゃないですがエンゼルなど比べ物にならないほどの魚になってしまいます。
また、成長して大きくなるにつれて気性が荒くなるため、混泳には危険な魚種です。
プレコを飼育したいのであれば、ベアタンクで単体とうのが無難でしょう。
中型の熱帯魚
中型の熱帯魚は、基本的に気の荒い仲間が多く、トラブルになりやすい特徴があります。
コイ系、カラシン系、シクリッド系など、わりとほとんどの種類の中型魚がケンカの原因を作ります。
エンゼルフィッシュが直接関わらないとしても、まわりが気性の荒い魚種まかりでは、それだけでストレスになります。
エンゼルはゆっくり泳いで過ごしたい性質で、周りが騒がしいのが苦手だということです。
夜行性の熱帯魚
エンゼルフィッシュに直接は危害を加えない種類の魚でも、夜行性の魚種は避けましょう。
夜に寝るエンゼルに対し、ナマズ系の魚は夜になると活発にバタバタと動き出すのでそれがストレスとなります。
水槽の大きさや、飼育数にもよりますが、エンゼルに気を遣うのであれば避けたほうがいいでしょう。
エンゼルフィッシュが危害を加えてしまう熱帯魚
小型の熱帯魚
エンゼルフィッシュは優雅に泳いで、チョロチョロと動く魚が苦手。
基本は温和だとしても、本能的に口に入るサイズの魚は食べてしまいます。
ケンカというよりも、小さな動くものは何でも食べてしまう習性があります。
小さな熱帯魚(ネオンテトラ、アカヒレなどのSサイズ)は混泳してからあっという間に食べられてしまいます。
小さな動く生物は、エンゼルにとって混泳している個体ではなく、餌という認識にしかなっていないので食べてしまうのです。
私も実際に一晩で全滅してしまった経験もあります。
そのため、小型の熱帯魚や稚魚などはまず一緒にしてはいけないと思っておいて下さい。
卵胎生メダカ
グッピーやプラティなど、卵胎生の熱帯魚とエンゼルフィッシュを混泳させる場合は注意して下さい。
普通の成魚と混泳させるのは問題はありませんが、小型魚を食べるのと同じように、稚魚はあっという間に全滅させられます。
自然の摂理で淘汰されると考えれば問題はないですが、まずエンゼルと混泳している以上は繁殖はできないと思っておいて下さい。
ウィローモスなどで稚魚の隠れ家を作ってあげればそれでも生き延びれるかもしれませんが、繁殖を目的とするのならエンゼルのいる水槽で混泳させるべきではありません。
ディスカス
ディスカスとエンゼルフィッシュの混泳は難しいとされています。
エンゼルフィッシュは「熱帯魚の女王」と呼ばれるのに対し、ディスカスは「熱帯魚の王様」と呼ばれるています。
どちらも色鮮やかで、優雅に泳ぐ熱帯魚ですが、実はこのふたつの種類は相性が悪いとされています。
エンゼルフィッシュは温和だと言っても、それなりに気は強いという性質を持っています。
それに比べて、ディスカスは成魚になってもずっと臆病でとても神経質な魚です。
ディスカスは、水質の変化やちょっとした物音、混泳している魚の動きなどに非常に敏感で、同じ層を泳ぐエンゼルがいると委縮しがちです。
同じディスカス同士でも、弱い個体は隠れて出てこなくなってしまうほどですので、気の強いエンゼルがいればなおのことストレスとなってしまいます。
ディスカスは、臆病ですので売られたケンカはかわずにひたすら逃げ隠れしてしまうので、餌が食べられなくなったり、直接攻撃を受けたりして様々なダメージを受けてしまうのです。
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相性が良くて混泳できる魚は?
基本はゆっくりと泳いでいたいエンゼルフィッシュ。
苦手な魚もいますが、自分に危害を加えない、ストレスを感じない魚もいます。
エンゼルフィッシュと相性が良いとされる代表的な魚種を紹介します。
コリドラス
コリドラスはエンゼルと混泳してもまず問題はありません。
水深の中層部を泳ぐエンゼルフィッシュに対し、深層部、底部を泳ぐコリドラスはお互いに干渉しあわないために問題はありません。
また、コリドラスはまず自分からトラブルを起こすような行動はなく、楽しく泳いでいるのが好きなのでケンカにもなりません。
種類も豊富で、泳ぐ姿もかわいらしく、エンゼルとコリドラスの組み合わせは見た目にもいいのでもはや定番の組み合わせです。
コリドラスも飼育は非常に簡単で、安価で手間のかからない魚種で、エンゼルとの混泳がうまくいくのなら理想の状態を築けます。
卵胎生のメダカ
グッピーやプラティなど、混泳できない種類でも紹介しましたが、成魚については特に問題はありません。
特にプラティはおとなしく、泳ぎを楽しむ性格をしているのでエンゼルとはつかず離れずの距離を保ってくれます。
卵胎生のメダカの仲間は、稚魚が食べられてしまうというだけで、非常に混泳向きの種類です。
また、メダカの仲間というだけあって、丈夫で飼育しやすく、成魚ならば食べられてしまうサイズ以上にもなります。
ネオンテトラ
飼育のしやすさと、見た目の美しさで人気のネオンテトラも、成魚はエンゼルと混泳可能です。
食べられてしまうのはSサイズの魚たちで、エンゼルの口に入らない大きさの魚種は普通に同居できます。
ネオンテトラは安価で手に入りますし、飼育も簡単。
群泳させると非常に映えますし、群れでいるほうが安定感があるとされているので、複数導入してみるのもありです。
ただ、あまりに多すぎるとエンゼルが委縮してストレスとなるので注意はして下さい。
混泳のポイントは?
熱帯魚の混泳がうまくいくかいかないかは、相性や環境が大きく左右します。
エンゼルフィッシュを他の熱帯魚とうまく混泳させるために、いくつかのポイントを紹介しておきます。
泳ぐのが速い魚種は苦手
エンゼルフィッシュは、体形が独特で、早く泳ぐことが得意ではありません。
そのため、小型の素早く動く魚たちにはストレスを感じてしまうところがあります。
また、種類によっては何でもつつく魚もいて、小さく素早いことを逆手にとってエンゼルのヒレをつついてボロボロにしてしまったりもします。
肉食魚、大型魚は絶対にダメ!
ピラニアのような素早くて肉食で獰猛な種類はまず無理です。
ほとんどの魚が無理だと思いますが、特にエンゼルフィッシュは逃げるのが不得意なのですぐに傷つけられてしまいます。
エンゼルフィッシュは、他を攻撃することはあっても、攻撃されることは苦手なのです。
混泳させてみないとわからない
混泳は可能な場合とそうでない場合が多々あります。
絶対に避けたほうがいい魚種は避けるに越したことはありませんが、幼魚の頃からずっと混泳飼育しているとうまくいくということもあります。
口に入る程度の魚は食べてしまいますが、どの程度まで大丈夫なのかも実際にはなかなかわかりません。
食べられてしまう個体はかわいそうにも思いますが、混泳させたいのなら実際に導入してみて、淘汰されてバランスがとれるのを見届けるしかありません。
時間が経過すれば、魚種に限らずに何かしらの変化が起き、バランスをとったところで均衡を保つはずです。
それだけはやってみなければわかりません。
エンゼル同士で試してみよう!
混泳をさせるのなら、まずは同じエンゼル同士で泳がせて複数飼育して様子を見るのもありです。
同じ種類のエンゼルでも、おとなしい個体と荒い個体もいます。
また種類によってわずかに性質が違ったりもしますし、複数飼育の場合は互いの力関係によっても行動が変わります。
一番強い個体が他を全て蹴散らすパターンもありますし、数匹で一匹をいじめるパターンもあります。
また、狂暴な個体を別の水槽に移しても、残された個体の中でまた新たな力関係が生まれたりもします。
まずはこうした性質や自然の流れを知ることも大切ですので、エンゼル同士で色んな組み合わせを試してみましょう。
アクアリウムに正解はない
どのアクアリストも、経験を積んで口を揃えて言うことが「正解はない」ということ。
ネットや本で書かれいてるセオリーに従っても、ダメなものはダメだし、うまくいくものはうまくいくといのは多々あること。
やってみて、経験してみて、それぞれの個体の様子を見て、その結果をただ見届けるしかありません。
それがアクアリウムの醍醐味です。
エンゼルフィッシュの混泳。
うまくいくといいですね!
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