
飼育しやすい魚として愛されているアカヒレ。
水質の変化や低温に強いため、ストレスや病気に強いのが特徴です。
ですが、劣悪な環境で飼育すれば、丈夫なアカヒレも病気にかかることがあります。
丈夫で病気になりにくいことで、飼育のしやすさからアカヒレは人気があります。
水質の変化にも強く、少々のことでは弱ったりはしないので初心者でもあまりこまかいことを気にせず飼育するこtができます。
しかし、水替えを怠ったり、夏場に高水温で放置したり、過密飼育だったりすると、水質が悪化してさすがのアカヒレも病気にかかります。
Contents
アカヒレの病気
特にかかりやすい病気の例は白点病・尾腐れ病です。
この二つは、観賞魚でよくみられる代表的な病気で、アカヒレも弱ってしまうと侵されてしまいます。
特に春秋などの季節の変わり目は、昼夜で水温差が大きくなりやすく、病気にかかりやすくなります。
高水温は急激に水質を悪化させる上に魚の体力も奪います。
そして、低水温は水槽内にいる病原体を活発にし、さらに魚の抵抗力も低下します。
一日を通して水温の変化が大きくなると、この条件によって魚は病気にかかりやすくなります。
それまでに調子の悪かった個体や、元々丈夫でない個体などもいるため、弱い魚から感染して発病していきます。
アカヒレは病気になると致命的?
アカヒレは、元気な個体の場合は少々乱暴に扱ったくらいではビクともせず、何事もなかったように元気に泳ぎ回ります。
しかし、一度病気にかかってしまうとあっという間に病気が進行していって急激に弱ってしまうといった特徴もあります。
「おかしいな?」と思った次の日にはすでに泳がなくなり、その翌日には動かなくなり、気が付いたら☆になっていたなんてことがよくあります。
人間でも観賞魚でも言えることですが、病気は早期発見するに越したことはありません。
ですが、特にアカヒレには注意です。
病気にかかりにくい分、見落としがちですが一度かかれば本当にあっという間に弱り、他の個体にもどんどん感染していきます。
アカヒレも丈夫だからといって煩雑に扱うと病気にはなりますし、進行が早く治りにくいので管理と観察はきちんとおこないましょう。
アカヒレの病気は予防が大切
さきほども書いた通り、アカヒレは丈夫なことが特徴ですが、病気にかかると進行が早く治りにくいという性質もあります。
そうなれば、やはり大切なのは予防。
他の魚でも同様のことが言えますが、一度かかると致命的であるアカヒレは特に気を付けるべきです。
観賞魚の病気は、直接影響を与えているのは水質です。
そして、その水質に影響を与える要素として、水温があります。
また、水質と水温の変化を緩やかにするためには、水槽サイズ、ろ過機容量、飼育匹数のバランスが関係してきます。
さらに、管理者のメンテナンスとしては水替え、与える餌の量、ろ過機の清掃なども重要になってきます。
どの観賞魚でも基本は同じで、飼育する個体の数に対しては、少し大きいかなと思えるくらいの水槽サイズとろ過機を使用しましょう。
これだけでかなり病気のリスクは減ります。
また、ヒーターなしでも越冬できるアカヒレですが、水温が下がれば病原体は活発になり、アカヒレの免疫力は落ちるのでヒーターを使用しているほうが病気にはかかりにくくなります。
あとは、餌を過度に与えすぎないことと、定期的に水替えを行うこと。
アカヒレが丈夫だと言われるのは、放置しても生きていけるというわけではなく、ある程度の設備を整えて、よっぽど悪い環境でなければほとんど☆にはならないといったところです。
実際に私も30㎝水槽に4匹ほど入れてロカボーイのみで一年間水替えなして飼育しても全く☆になる個体はいませんでした。
もちろんヒーターもなしでした。
丈夫と言われるアカヒレば弱ってしまうということは、よほどひどい管理をしていると考えられるため、病気になってしまうのはほぼ管理者の責任です。
アカヒレがかかりやすい病気の症状と対処法
丈夫なアカヒレでも一度かかると致命的な病気。
その中でも代表的な二つの病気について紹介します。
白点病
症状
体に1ミリ程度の小さな白い点があれば、白点病の疑いがあります。
始めは小さな白い点のようなものが付着している程度ですが、次第に数が増えて進行すると全身が真っ白に覆われてしまいます。
感染初期の段階では、体表に白い点があることと、体をかゆがっているように色んなところへ体をこすりつけたりすることがあります。
体全体が白くなった頃には、泳ぐ元気がなくなって弱っていき、最後には動かなくなります。
原因
発症は、急激な水温の低下によるものが多く、冬場の水替え後などに多く見られます。
特徴
白点病の病原体は、同じ水槽にいる他の魚への感染力も強く、次から次へと他の個体へ寄生していくので、早期発見、早期対策が重要です。
病原体は低温になると活発になり、爆発的に増殖して感染していきます。
低温はアカヒレの免疫力も低下させるため、条件が重なると感染してしまいます。
対処法・治療法
白点病にかかったアカヒレを発見した場合、すぐに隔離します。
他の個体への感染力も強く、アカヒレが白点病にかかってしまった場合は進行が早いので早めに治療する必要があります。
隔離したアカヒレは、メチレンブルー、グリーンFリキッドでの薬浴か、塩浴し、治療には時間がかかるので毎日観察しながら治療してあげましょう。
この時、ストレスを与えない、隔離水槽の治療水を清浄に保つ、ヒーターで加温して温度を一定に保つことが大切です。
ヒーターで30度付近に保てば、白点病の病原体は勢力が弱まり、アカヒレの免疫力の低下も防ぐことができるので治療では必須です。
また、白点病にかかったアカヒレがいた本水槽の中には、病原体が潜んでいますので、そちらも加温して水替えをおこないましょう。
尾腐れ病
症状
その名の通り、尾やヒレが腐ったようにバサバサになる病気。
つつかれたりして傷ついた状態とは少し違い、不規則な形で溶けたようになっているのでよく観察していればわかります。
進行するとエラにまで感染し、呼吸困難に陥ります。
原因
カラムナリスという最近が感染することで発症する病気。
主な原因は水質の悪化で、夏場に高水温の時間が長く続いたり、水替えを怠っていたりすると発症します。
特徴
体色が褪せていって、ヒレがボロボロになります。
アカヒレに感染して進行してしまうと非常に治療が困難。
発見が遅れると、エラに感染して呼吸困難となり、死に至ります。
対処法・治療法
まずは感染しているアカヒレの個体は隔離です。
治療は塩浴かニューグリーンF、グリーンFリキッドでの薬浴。
長い治療が必要になるので、毎日よく観察し、水替えを怠らずにおこないましょう。
また、尾腐れ病の原因は水質の悪化によるものなので、本水槽の水替え、ろ過器の清掃、飼育匹数と設備容量の見直しなどが必要になります。
病気にかからないために大切なこと
アカヒレがかかりやすい病気の二つは、それぞれの特徴を見ればあることに気が付いたかもしれません。
水質の悪化によって発症するカラムナリスによる尾腐れ病。
過密飼育や餌のやりすぎ、ろ過不足の場合は言うまでもありませんが、特に夏場の高水温の時期には水質悪化の進行は速く、水替えの頻度を間違えると細菌が増殖します。
水温の低下が原因で発症する白点病は、急激に水温が低下した時に見られます。
冬場の無理な水替えなどによって水温が低下し、病原体が優勢となるために爆発的に感染します。
これら二つを見てみるとわかる通り、重要なことは水替えです。
早い話が
・夏場⇒水替えしなさすぎ⇒水質悪化⇒尾腐れ病
・冬場⇒無理に水替えしすぎ⇒水温低下⇒白点病
ということです。
日々の管理で大切なことは、適度なメンテナンスです。
同じサイズの水槽に同じ飼育匹数を入れて、同じろ過器で飼育していても、季節によって外気温は変化し、もちろん飼育水温も変化するため、それによる影響は様々なところに現れます。
単純な話ですが、夏場はこまめに水質をチェックして水替えを適度に行う必要がありますし、冬場は水替えの頻度や量はシビアに行う必要があります。
つまり、一年を通して一定の決まったサイクルで管理することは難しく、状況に合わせていく必要があります。
まとめ
アカヒレは、低温にも強く少々のことでは病気にかからない丈夫さが魅力です。
しかし、一度かかれば治療は難しく、進行も非常に速いのも特徴です。
アカヒレがかかりやすい代表的な病気は、白点病とお腐れ病の二つですが、もともとどちらも治療が難しい病気です。
また、白点病は感染力が強く、尾腐れ病は水質が悪化している証。
つまり、本水槽がとても危険な状態にあることを示していることになります。
病気に強いアカヒレが感染してしまうということは、ピンチの度合いを示す指標にもなります。
普段は何があっても元気に泳いでいるアカヒレが、ちょっとでも「おかしいな?」と思ったらすぐに対策をとりましょう。
病気を発見したら
・すぐに隔離
・薬浴
・本水槽水替え
この三点が重要です。